紫だちたる雲の細くたなびきたる blog

春はあけぼの(をかし)

佐賀のがばいばあちゃんを読んだ

佐賀のがばいばあちゃん (徳間文庫)

佐賀のがばいばあちゃん (徳間文庫)

大学時代の友人の歓送迎会が東京であるので東京へ移動中、新幹線の中で文庫本を読んだ。
「人に見せない優しさが本当の優しさ」の言葉が胸に突き刺さった。
日本中が貧しかった時代。隣近所みんなで支え合って生きていた時代。人と人との繋がりが今よりずっと強かった時代。
著者の島田洋七さんは1950年生まれ。ってことは父と同い年。父の子供時代もこんな感じだったんだろうな。
昔はよかった、なんて懐古趣味に走るつもりはないが、今の世の中を見渡して「これでいいのか?」って疑問符はやっぱり感じてしまう。
島田洋七さんは、本の前書きで不景気を「昔に戻っただけ。変わったのは人」と表現していた。確かにそうだな、と思う。
人が変わってしまって助け合わなくなった。だから年収200万〜300万時代だとか言ってはおたおたしているのだ。
もしかすると貧しくなればイヤでも助け合うようになるのかも。まだまだ、助け合わなければ生きていけないほど貧しくはないのだろう。